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2006年5月22日
レッテルを貼る
患者にレッテルを貼っちゃダメだ、一度貼るとなかなかはがせなくなる、って『ドクターズルール』にも書いてある。でも貼ってしまった。救外で。
元気なさそうに入ってきた50歳前後のおじさん。2週間くらい熱があって、のどが痛くて、首が動かなくて、咳が出て、食事がのどを通らなくて…付き添いの奥さんともどもみるからに心配性って感じで、言ってることもよくわかんないから、早い段階で“不定愁訴”というレッテルを貼ってしまった。「で、今日はどうして来たんですか!?一番困ってるのは何なんですかっ!?」
結局「首が痛くて動かない」ってのが一番の問題らしいんだけど、「まぁ不定愁訴なんだし」ってことで十分に診察もしないでとりあえず首のレントゲンへ。でも熱が続いてるし、食べれてないっていうのは何かありそうだから血液検査もしとこうかな。CRPとか見ときたいしね。
そしたらなんとCRP25!(正常0.5未満、5.0でたいてい入院)めっちゃ高っ!あわてていろいろ調べていったら首の、食道と頚椎の間のところに膿瘍があることがわかって緊急入院、今も抗生物質で治療中。レッテルを貼ることの恐ろしさを改めて(実は前にもある)実感した。
今日、その患者さんに会いに行ったら、結構元気で、部屋の中をひとりで歩いて普通に歯みがいたりしてたから一安心したんだけど、「お世話かけました。救外ではふらふらで右も左もわからなかったんですけど、いくらかよくなりました」ってお礼言われちゃって。元気といっても基本的にはやせて弱って不安そうなのに謙虚で礼儀正しい患者さん。レッテル貼って不誠実な対応してた自分がとても恥ずかしかったし、ほんとに辛かっただろうにそれを理解してあげれなかったことが申し訳なかったし悔しかった。
明日の朝は毎週火曜日恒例の救外勉強会。救外始まったばかりの1年生の参考になりそうだから、今回のこと発表しようと思ってカルテをまとめ直すんだけど、振り返れば振り返るほど自分の対応が悔やまれて、患者さんに申し訳なくて、涙が止まらなくなってしまった。
言い訳はできる。患者が多くて忙しかった。内心不誠実でも表面上はそれなりの対応ができていた。不十分ながらも異常に気づいて検査をして入院させることができた。いろんな見方はあるけど、でもやっぱり一番気づくのは、レッテルを貼ったことであり、患者さんの苦しさをわかってあげれなかったこと。そうでなければ、もっと丁寧に問診して、もっと詳しく診察して、もっと早い段階で問題点に気づけてたかもしれない。
まだまだだぜ。
05/22 23:42 | 医療/仕事
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