2006年8月13日
消化器内科医になります。
先日研修担当の先生との面談がありました。足りないところは外から後期研修医募集するから早く決めてくれよ、と。そこで(救急ではなくて)消化器内科にします、と申し上げてきたのでございます。
これまで特に興味のなかった消化器内科ですが、なんでかといえば(Mやちがステキな表現を教えてくれました!)“タイミングと出会い”っすわ。
ずっと救急くらいにしか興味なかったんだけど、うちの病院って救急外来こそ大忙しだけど、救急部があるわけでもなく、救急の専門の勉強をするにはちょっと不十分かなと。じゃあ後期研修外に出るために情報収集・病院見学してるかっていうとそういうこともしてなくて。おかげで明確な進路を提示できないままただ時間だけが過ぎていく。そこに消化器内科のO先生登場。
O先生「消化器どうだ?」
O先生は中堅の、一見こわいんだけど面倒見がよくて、やる気ないように見えて(見せて?)誰よりも働いているすごい人で、若手医師からとても慕われ、看護師さんからもとても頼りにされている先生。なんだけど、僕は全然仲良くなれてなかったからずっとただ「一見こわい」だけだったようなもの。
礼儀を大切にする先生だと聞いていたから、あいさつは欠かさないようにしてたけど、こちらから話しかけることはほとんどできず、たまに交わされる言葉といったら救外で「遅い。早くまわせ!」「はい、すいませんっ!」くらい。消化器内科では「Dすけ=できない」の式ができ上がっていたらしい。よく研修医室に遊びにいらっしゃるんだけど、みんなが「先生〜」って集まってく中、僕は自分の机で背を向けて固まってた。僕も「先生〜」って寄っていけたらなぁってみんながうらやましかったんだけど、いかんせん「できない」し、そのくせ目立つし、その他いろいろ思い当たる節もあって「オレ絶対嫌われてるよなー」って。
でも冬くらいから少しずつ話できるようになってきて、救外に関しても(ただ怒られるだけじゃなくて)笑いながら「お前さ、がんばってるのはわかるんだけど、もっとこう…」ってアドバイス下さって。「がんばってる」なんて言われるほどがんばれてなかったのにそう言ってもらえたのはとてもうれしかった。救外はずっと苦しんできたけど、なんとかがんばれたのは、同期に一緒に当直入りたくないって思われないためであり、いつも呆れながらも尻叩いてくれてたS太郎さんやO先生に認められたかったからなんよ。
1ヶ月くらい前。いつものように研修医室にO先生登場。近くに寄れるくらいにはなってたんだ。そこで誘われたんさ。
O先生「消化器どうだ?」
オレがO先生に誘われている!?想像したこともなかった。実は、
O先生「部長、今年は消化器に進みそうな研修医がいないからDすけでも誘ってみませんか。あいつできないですが、将来化けると踏んでるんです」
消化器部長「じゃ誘ってみるか。よろしくー」
ってことなんだってけど(なんだそりゃ!?)、とはいえ「化けると踏んでる」なんてうれしいじゃないっすか!!なんかその気になってきちゃって、
Dすけ「今すぐ答え出した方がいいですか?」
って聞いたら、
O先生「お前はバカか!?」
って笑われたけど、でもどっちにしても、
O先生「まぁ、前向きに考えてみてよ」
っておっしゃるから、
Dすけ「ええ、前向きに考えます!(^○^)/」
って答えといた。そしたら、
O先生「そうやってその気にさせといてもし断ったら…覚えとけよ。消化器内科の手の平返しは有名だよ。誰も口利かないよ?吐血?あ、そう…だからね」
Dすけ「ひょえーっ(>_<)」
そもそもなんで救急だったんだろう?実はよくわからんのよね。内科・一般病棟だと病気だけじゃなくて、患者のキャラクターやら社会的背景やらを総合的に考えて診ていく必要があるけど、それに自信がなかったというのが1つある。救急なら「とりあえず命を救え!」って一直線に進めるから楽。でも本当は「総合的に診れるようになりたい!」って思いがあるのは自覚してた。そういう意味では完成形のイメージとしては内科医になりたいのかも。
あとテキパキ、アクティブに働くことへのあこがれ。かっこいじゃん、救急医って。別に救急に限らず、麻酔科医、外科医、胸部外科医もそうなんだけど。やっぱ手を使いたいというのはある。通知表、図画工作はずっと最高点だったし。(うそ。中1のとき、先生の注意を無視して芸術度の高すぎる木彫りのペン立てを作ったら2にされたんだった。)そういう点では消化器内科は胃カメラ、大腸ファイバー、胆道ドレナージ、血管造影、、、外科系に負けないくらいの手技がある。なんてロマンチック!そしてO先生の存在!先生はなんでもできる。手技がうまい。他の科のことでもできる。以前、骨盤骨折の患者が来たとき、院内にアンギオのできる医師はO先生しかいなくて、消化器内科ながら内腸骨動脈の塞栓術をやってしまったこともあるという。O先生こそ僕があこがれるテキパキ、アクティブに働く人なのではないか。
もう難しいこと考える必要はない。学部、大学、病院、、、どれも結局インスピレーション。今回は“タイミングと出会い”、これを大事にすることこそ、僕にとって大事なことなんだという確信があるのです。というわけで消化器内科医になります。救急も興味ないわけじゃない。他の病院を見学させてもらって有意義だったし、来年も外来直として救急外来には携わっていくわけで、ACLSや外傷の知識も求められるので、勉強は続けていく。それでやっぱり救急が面白ければ10年後、どうなってるかはぶっちゃけわからない。でも今は消化器内科。僕はO先生を目指します。O先生のようなテキパキ、アクティブで、後輩や同僚から慕われる医師になりたい。
08/13 18:35 | 医療/仕事
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