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2006年3月27日

ここが変だよ医師の言葉

La-teteでT谷と、医師の患者に対する言葉遣いが醸し出す違和感、について語り合った。言語文化学科出身で「変人」代表の僕と、「ちゃんとした人」代表のT谷が同じようなことを考えていたことは興味深いことだ。ただ僕らは明らかにマイノリティであり、一般的な医師はこんなこと考えたりしない、というのが僕の見解である。以下に僕が違和感をおぼえる表現をいくつか紹介する。(注:T谷は以下の全てに共感しているわけではない。)

「どうしたの?」
特に意識障害・認知症の高齢者に対してよく使われる表現。「(肩をたたきながら)わかるー?今日はどうしたのー?」医師は患者よりも偉いのだろうか?あるいは親しみを持たせるためにあえてくだけた表現を選ぶのだろうか?しかし僕には「サービス業としての誇り」があるから、(ついうっかり、はあるにせよ)こういう言葉遣いには共感できない。ホテルマン、ボーイ、ウェイトレスはそういう言葉を使わない。T谷も「自分が患者だったら、初対面の医師にどういう言葉遣いをされたいか」を考えて、敬語を使っているという。儒教の影響で「長幼の序」を大事にする日本文化にも反するのではないだろうか。

「…ねー」
「検査のねー、結果はねー、特にねー、異常はねー、なかったからねー、とりあえず今日はねー、おうちに帰ってねー、しっかり休んで下さいねー、いくつかお薬をねー、出しておきますからねー」計10回。小学校の時、PTA会長さんの「えー」の数を数えていたことを思い出す。終助詞を付けることで、確かに表現がやわらかくなり、親しみがわく効果はあるだろう。しかしそれにしてもくどい。別の助詞も使おう。ちなみに僕はこう言いたい。「検査の結果、、、特に異常は、ありませんでした。ま、とりあえず今日のところはお帰りいただいて、十分にお休み下さい。それと、えー、いくつかお薬を用意しておきますので…」もちろん緩急、抑揚つけまくりで。

「もしもし」
「もしもし」は「申し上げる、申し上げる」を短くしたもの。ご存知、電話の決まり文句。もしあなたが聴診器を使って電話ごっこをしたいのであれば、まず聴診器を2つ用意し、医師と患者がそれぞれ耳につけ、ベル部分を相手の口元に持っていくとよいだろう。聴診器が1つしかない場合には、双方向のコミュニケーションは成り立たず、電話ごっこを楽しむことはできないだろう。ちなみに僕が小児の胸部聴診をする際には決まってこう言う。「胸の音を聞かせて下さい」しかし母親は決まってこう言うのだ。「ほら○○ちゃん、もしもししてもうおうねー」だからもしもしじゃないっつーの!

「ごめんなさい」
前にも書いたけど、注射するときに「ごめんなさいね」って言うのも不自然だ。「痛いですよ」という説明や、「痛いですよね」という共感は適切だ。「痛いだろうな、かわいそう」って気持ちはわかる。でもそれは共感にとどめておくべきであって、謝罪する必要はない。日常生活では、肩がぶつかっても、ペンを拾ってもらっても、いつでも「すいませんすいません」とペコペコしちゃう僕だけど、患者に対しては不用意に謝らないように心がけている。

これらに対する意見をお待ちしております。

03/27 22:42 | 医療/仕事

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