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2005年4月 4日

病診連携

A城はK牧なんかと違って各科ローテーションは4月25日からだし、当直に至っては5月16日からで、それまでは新入社員向けガイダンスのオンパレードなんです。それで今日は「病診連携」というテーマで、病院と診療所(あるいは開業医)との連携について考えようってのがありました。患者の心理としてはやっぱりでっかい病院の方が安心だし、特に高齢者なんて複数の科を掛け持ちってことがしばしばだから、そうすると近くの「開業医」をたくさん回るよりもちょっと離れてても1つの「病院」の方が行きやすいもの。

でも病院ってのは高齢者の慢性疾患の外来にかける時間はできるだけ削って、病院ならではの急性疾患の入院患者の手術とかに時間と人手を割きたいもの。厚生労働相も(医療費削減の目的もあって)そういう役割分担を進めようとがんばっているところ。A城でも「かかりつけ医を持ちましょう」ってゆうポスターを作って患者教育をがんばってるんだけど、「人を動かすのは“必要性”だ。つまりここでは“金の力”だ」と思い込んでる僕としては「患者を教育というのは難しいのではないでしょうか?簡単な病気で病院に来るなら追加料金払ってもらいます、みたいな仕組みはないんですか?」と聞くより他なかったのだけれども、講義してくれてた先生(副院長)曰く、「特定療養費といって、紹介状なしで病院を受診するときには初診料を2,000円払わなきゃいけないって制度もある。でも複数の科を掛け持ちの高齢者なんか『多少余計に払ってもいいから診て下さい』って来る。経済的な要素だけでは不十分で、やはり教育して理念を伝えることが不可欠なんだ」と。かくいう先生は週1で「逆紹介外来」というのをやっておられて、病院に来る必要はないぞって患者にその旨を熱く語って納得してもらって開業医のところに行ってもらってるんだそうだ。「人は“金”じゃなきゃ動かない」くらいに思ってたけど、「先生ほどの経験と熱意を以てすれば、“理念”で人を動かすこともできるのか!」と目からうろこな1時間でありました。

また別の話としては、開業医から病院に紹介されてきた患者さんが、病院の医師に「あなたが今まで受けてた治療はおかしいですねぇ(^_^;)」とか言われて。憤慨した患者さん、「先生の治療は間違ってるそうじゃないですか!」と開業医に詰め寄る!開業医は大いに気分を悪くして「なんだ○○病院の若造が!なめやがってこの野郎!もう2度とあんな病院に紹介状書くもんか!」と病診決裂。そういう恐れがあるから、万が一開業医の投薬の間違いに気づいても、それを患者に洩らすことは百害あって一利なし。だって医療の目的はあくまで患者の利益であるから、開業医の間違いを暴露したところで、それは患者にとって大事な役割を担うかかりつけ医を失うだけ。かといって黙って見逃しては患者にとって不利益であることは自明の理。え、じゃあどうしたらいいんだ?…あ、そうか!病院の医師が(患者には内緒で)直接開業医に意見すればいいんだ!!先生の解答もまさにそれ。大先輩である(可能性が高い)開業医に若造が意見を言う(しかも間違いを指摘する!)なんてめっちゃスリリングな話だけど、確かに一番筋が通ってて、患者の利益にもつながっている選択肢はこれしかないっ!

僕はこういう話にとても興味があるタイプの研修医です。

04/04 17:15 | 医療/仕事

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