03/17 天理よろず相談所病院
3/15〜17と、奈良の天理よろず相談所病院で実習してきた。
ホームページで見て申し込んだところ、
運よく抽選に通った(結構すごいことかも!?)ので行ってきたわけ。
15日の朝からだったので14日の夜のうちに天理入りするつもりだったんだけど、
部室でのパーティーに参加してたら22時をまわって電車が無くなってしまい、
それでも行けるところまで行こうと考えて米原まで行った。ああ行ったさ。
本来滋賀県を通る東海道線よりも三重県を通る関西本線で行った方が近いんだけど、
そっちの最終は名古屋20:06であったから、
三重の山奥で野宿するよりは少しでも京都に近い方がいいんじゃないかなぁ、
と米原まで行ったわけだけど、結局そこもただの乗換駅に過ぎず、
駅前にカプセルホテルすらなかったからやむなく駅で寝ることにしたんだけれど、
1時を過ぎたあたりで駅は閉められてしまい、
外のベンチで寝ざるを得なくなった。
こんなこともあろうかと寝袋を持参していたものの、
琵琶湖の湖畔のせいか、さすがに明け方は極寒だった。
しかもホームレスのおじさんに声かけられたり、巡回の警察にのぞき込まれたり。
小心者なので極度の警戒というか緊張をしてしまって眠りも浅く、
その上翌朝5時のに乗らなきゃいけなかったから睡眠不足なことこの上なかった。
そして人生3度目の天理市への突入。
この神秘的でちょっとうさん臭い宗教都市の謎をいつか解明してやろうと思っていたけど、
まさかこんな形で実現するとは予想もしなかった。
申し込む段階であの印象的な天理市に、全国でも有数の研修病院があるなんて驚きだったし、
それに申し込んでしかも受理されたことはDすけにとっては感動的な出来事なのだ。
とにかく天理市は変わった独特の、悪くいえば異様な雰囲気を持っている。
まず背中に「天理教」と大書した「はっぴ」を着た信者が、老若男女問わず街を闊歩している。
それに違和感を持つのではなくて、「そういうところなんだ」と思えばいいのかな。
また、「○○母屋」「○○詰所」ってゆう同一規格のでっかい建物が林立していて、
それらは全国300万の信者が巡礼に来たときに使う宿泊施設らしいんだけど、
市役所も高校(天理高校)も病院(天理よろず相談所病院)もみんなこんな感じ。
天理よろず相談所病院
病院には「憩の家」という別名があって(多分信者はこっちで呼ぶ)、
組織的にも医学的に身体を扱う「身上部」だけでなく、
悩み相談で心をケアする「事情部」や「世話部」なんてのもあって、
やっぱり普通の病院とは違うから訝しく思ってしまうけど、
でもよくよく考えてみたらそれでこそ「患者中心の全人的医療」ができるわけで、
そういう意味ではやっぱり信仰から来るヒューマニズムなどの賜物なのかなぁ、
というわけで今度はぜひキリスト教系の病院も見てみたいなぁと思っている。
そうそう、あと道路も病院も掃除が行き届いていてすごくきれいだった。
「ひのきしん(日の寄進)」と呼ばれるボランティア活動のおかげかも。
実は当初の予定では前日早めに天理入りして、教団施設を訪問したり、
天理教の教えを聞いたり、もっといろいろ見てくるつもりだったんだけど、
前述の通りとてもとてもそんな時間なかったからそれは能わず。
そんなわけだし、そろそろ天理教の話から病院実習の話に移りましょうか。
天理よろずの研修プログラムで特徴的なのは、
普通6カ月くらいの内科実習が11ヶ月もあること。
内科実習といっても循環2ヵ月、消化器2ヵ月、呼吸器2ヶ月、、、
って短いスパンで移動していいくのではなく、
期間を通して「総合病棟」に所属して、
循環器の患者も消化器の患者も呼吸器の患者も同時に受け持つ方式だから、
1つのことだけ考えてるわけにはいかない分、大変ちゃあ大変だけど、
長い期間を活用して入院から退院まで1人の患者をしっかり診れるのはメリットだな。
外科に転科するときでさえ、
(普通、内科の患者が手術のために外科に転科するってなると、
内科の研修医は主治医から外れるものらしいんだけど)
天理よろずでは外科について行って手術まで一緒に入っちゃうんだそうで、
ほんとにその患者のことを始めから終わりまで責任持って診る姿勢が貫かれてる。
しかも研修医だからといって上の先生の手伝い・雑用係、ということはなくて、
指示出しから実際の処置まで普通に「主治医」として全部やってたし。
残念なのはまだコンピュータの普及率が低くて、
オーダーとかもみんな手書きだったから、そのせいで仕事が増えて、
他にもやらなきゃいけない翌朝のカンファレンスでの症例発表の準備とかと相まって、
睡眠時間が減ってるんじゃないかってとこ。
なんたって3時間以下睡眠の日が週に3、4回もあるそうだからねぇ。
ただ、研修医の2年間くらいは仕事仕事でいっぱいいっぱいの生活するのもありかなぁ、
って思えたからそれはそれで何とかなる気もしている。
実際研修医の先生方は睡眠時間少なくても体力的に何とかなっているようだったし、
(2年目の研修医は12人中7人が女性だった!!)
それ以上に身につくものが大きいように感じられた。
あと研修責任者の先生がおっしゃっていたことを付加えておく。
こないだの総診の勉強会でHやしNおこが言っていた正にそのことなんだけど、
「診断のためには問診・診察で仮説を立てることが大事で、
検査はその仮説を裏付けるためにやるに過ぎず、
検査で仮説を立てるわけでは決してない」という話。
「胸が痛い」って言う患者がきたときに、
狭心症と大動脈解離と肺梗塞と胃潰瘍と胃癌と急性膵炎と脊髄癆を疑って
心電図と四肢血圧測定と胸部造影CTと内視鏡と腹部CTとMRIをオーダーするのではなくて、
胸痛の部位、程度、性状、きっかけ、持続時間や現病歴を問診したり、
四肢の脈の左右差などの身体所見を十分診察したりすることで、
それぞれの疾患の可能性が高くなったり低くなったりするわけで、
その上で可能性の高い疾患の検査をして初めて、
その検査結果が信頼できるものになる、という話。
無駄な検査をしなくて済むから医療費の削減にもつながるしね。
今度またNおこさんにご教授願おう。よろしくお願いします。
あーもう1個思い出した。
Dすけ以外にも三重大、神戸大、近畿大の学生と一緒だったんだけど、
その中でも近畿大の子はめちゃめちゃ賢くて驚かされたね。
それもそのはず、近畿大は進んでて、なんと2年生からチュートリアルやるんだって。
名大ではようやく今年から4年生がやることになった自習+ディスカッション形式の授業。
彼はその中で、自分で考えて議論するのを3年間やって来てるわけで、
知識も興味も考え方も1人抜けていたなぁ。さすが。いい刺激を受けたわい。
帰りにJR天理駅で見かけた案内表示
何がすごいって1、2番線が団体専用なこと。
きっと地方の信者が団体でやってきたとき用に線路1本確保してあるのだ。
さすが天理教パワーは伊達じゃない。